KREVAの「意味深」をYOUTUBEで見ての感想


ロックバンドで例えるなら、ギターもベースもそしてドラムも知らない人に、教えようとしたらきっとこんな感じになる。
これをなぜ、KREVAが行っているかというと理由は3つだ。
ひとつは自分の能力を量るための物差しを客がまだ持っていないからだろう。
もうひとつは遊び方を教えることで、HIPHOPが消費されて飽きられてしまうのを防ぐためだ。
聴いて楽しむだけのファンしかいないと、マーケティング上、音楽は次第に耳ざわりのいい音に変化していき、ポップスに同化していき、最後は溶けて消えてしまう。
HIPHOPの本質は「誰でもできる遊び」である。KREVAHIPHOPという遊びを日本中の人たちが共有する教養のひとつ、スポーツや趣味のひとつとして世間に広めて文化として伝えていきたいのかもしれない。
3つめの理由は、KREVAの自意識のかなりの部分はMCというよりトラックメイカーだからだろう。
トラックメイカーはある意味、HIPHOPの文化面を担う存在だ。

一方でMCはHIPHOPのお茶の間担当だ。吉本の芸人やジャニーズのタレントレベルの国民的人気を持つような才能がHIPHOPの世界には集まってくる気配はまだない。それにはHIPHOPが世間に認められていて誰でも知っているレベルのありふれたものになるまで待たないといけない。いつかそうなるときがくるのだろうか。