DTM初心者向けの記事第2回。 俺の性格的に「完成度が上がったら売る」ではたぶん一生売り始めることは不可能だった。




初心者向け企画
DTM初心者向けの記事第2回。
個人が音楽を売ることが本当に簡単に出来るようになった。
特に今年になって話題になったGumroadというサービスは画期的。
Twitterのアカウントさえあれば即デジタルデータを売ることが出来る。

俺も早速売り始めた。
最初に音楽をネットで売ろうと思ったのは2008年くらい。実際に売り始めるまで4年かかった。
自分の中での葛藤が解決しなくて長引いた。
葛藤の内容は以下のようなことだった。

「完成度が足りない」「なんか違う」「CD BABYでは登録手数料もかかるしある程度のまとまった曲数にしないと」「そうなると10曲くらいを完璧な状態にしないといけない」「無理っぽい」「日本人向けに売るのか?それとも海外向けに売るのか?」「あれ?最近そもそも自分のやりたいスタイルやジャンルが分からない 笑」

そのあいだ、BlogやTwitterは続けていた。ちょうどiPhoneが世の中に出てきてタッチパネルの新しい楽器に興奮したりAbleton Live8やMPC1000のJJOSに興奮したりしてそれを伝えたいと思ってエバンジェリスト(自分が信奉する製品を、他人に勧めて広めようとする人のこと)状態で記事を書いた。自分で動画を撮ってYouTubeで公開するのも新鮮だった。


SoundCloudという音楽を公開できるサービスも2010年から使い始めて、あとは売ることを体験してみたいと願っていた。
音楽の販売をBlogのように出来ないものか?と思うことも多かった。

Gumroadで売り始めたときの心境は、曲ができた直後に売り始めることが出来そうな勢いだったのでそのテンションが下がらないうちにやっちまえという感じだった。

TwitterやBlogだったら出来るけど曲を売ることはどうしても出来ないという葛藤がGumroadの登場によってあっけなく解消されて今はハッピーだ。

俺はgumroadを未完成の曲を売っていい場だと解釈している。手作り感あふれる個人の発表の場でいいんじゃないかと。つまりTwitterやBlogのような気楽なスタイルを音楽の販売にも適用してみただけ。
ソフトウェアのように曲をバージョンアップさせるのも自由にやっていいと思っている。

まだ2曲しか販売してないし全然売れてないけど、曲数はBlogの記事のように自然に増えていくだろうしBlogの記事を読みなおして修正・加筆せざるを得ない心理が同様に販売楽曲に対しても働くので完成度も上げたくなる。
Blogではいつの間にか記事が増えて内容が充実してきたらアクセス数や反応、そしてささやかな収入と幸福感も得られるようになった。それと同じことが楽曲販売でも起こるのではないか。
俺の性格的に「完成度が上がったら売る」ではたぶん一生売り始めることは不可能だった。
取り敢えず、売り始めることが大事。

売り場に並べても売れないという状態になって始めて見えてくるものがある。
「ああ、これじゃだめなんだ」「どうやったら売れるのか?」「曲数を増やそう」「曲を改良しよう」「ラップをのせてみよう」「Blogで紹介してみよう」「動画にしてみよう」「ポッドキャストをはじめてみようか?」
というふうに改良や宣伝のアイデアが出てきた。
YouTubeやVoiceblogのような便利なサービスがある時代だ。こっちのエンジンさえかかればいくらでもやることはある。

そのうちなにか上手くいくパターンが出てくるかもしれないし、それを自力で発見していくのはとてもワクワクする。

何よりもいいのは既に曲は売り始めているという点だ。
俺は既にスタートしている。走り始めている。
....というふうに思えている状態は精神的に健康だ。
今までは成功した人や幸せそうな人を見るたびに自分の不甲斐なさばかりが募っていた。

でも今は「作る→売り始める→宣伝する・バージョンアップする→売れる・評価される」という全ての環境が揃っている。
全てが自分で把握でき、不全感は解消され時々評価されることもある。幸せな気分になることもある。
全ては自分のやり方次第だし、やれば必ず状況は少しずつ変化する。誰のせいにもできないので前向きにやらざるを得ない。

俺は努力が苦手だしやりたいことをやりたいときにしかやれないナマケモノなので、自然と努力や改良せざるを得ない環境に自分を置くことが正解だった。

日本の社会状況は成熟期に入り長い間停滞している。幸せになるための工夫を俺はしている。

  • まとめ
  • 大きく始めるのもいいが、敷居が高いと大変。
  • 小さく初めて大きく育てるのが良い。
  • まずスタートするのが大事。
  • Gumroadは既存のビジネスを置き換えるものではなくこれからビジネスに参入する人のためのサービス

前回の記事

http://d.hatena.ne.jp/coldplayer/20120320

こういう音楽を作って売っています

http://soundcloud.com/yazawatamio